++ 2008.04.07 Mon ++
梅田望夫 / ウェブ時代5つの定理 この言葉が未来を切り開く!
非常に感動しました。梅田望夫さんの本は、『ウェブ進化論』、『ウェブ時代をゆく』も読んだことがありますが、いずれも前向きで積極的な内容で、読後感が非常に気持ち良いです。
本書を読み終えると、2倍3倍の成長ではなく、100倍、1000倍の進化を目指したくなるような、向上心、やる気に満ちあふれる感覚になります。
「無難で、間違いのない生き方」も素晴らしいですが、それよりも、「いまだかつて誰もなし得なかったことを果敢に取り組む」姿勢というのが大好きです。失敗し、つまづき、叩かれても、何度もはい上がって挑戦する人には魅力を感じます。
そんな、守りの生活よりも、多少リスキーでも攻めの人生を送りたい、と思っている人にはおすすめの一冊と言えると思います。
本書で幾度となく出てくるのが「アントレプレナーシップ(entrepreneurship)」という単語ですが、本文では、日本語にはこの語の持つ意味合いをぴったりと言い当てた訳語がありません。「起業家精神」あるいは「企業家精神」と訳されて使い分けられていますが、アントレプレナーシップは、なにも起業家や会社経営だけに関わるメンタリティとは限りません。
新しい物事に対して創造意欲に燃え、リスクを引き受けて果敢に挑む姿勢、不確実な未来を楽しむ精神の持ちようなどを言い表すもので、「進取の気性に富む」というと一番ニュアンスが近いかもしれませんと説明されています。
DREAM THEATER の「Images and Words」を聴きながら読んだのですが、書かれている内容と、音楽から受ける印象が非常に合致して、興奮してしまいました。低迷していたプログレッシヴ・ロックを、へヴィ・メタルというジャンルの中で復興し、他の追随を許さないドリームシアターサウンドを構築、アルバムを出す毎にファンを驚かせ(戸惑わせ)る彼らもまた、アントレプレナーシップにあふれていると思います。
それぞれの分野で第一人者として活躍している人に共通するのは、仕事に没頭し、他人を尊重し、好奇心旺盛で柔軟な頭をもっていることだと感じます。損得感情や利害打算などではなく、本気で良いものを創りだそう、とお互いが刺激し合い、向上心に燃えている人ではないでしょうか。そういう人は、一緒にいても気持ち良く、人間として魅力的だと思います。
本書は、グーグル創業者ラリー・ページとサーゲィ・ブリンや、アップル創業者スティーブ・ジョブズなど、シリコンバレーにおけるIT関連の人々の名言集といった形を取られています。心に残る言葉がたくさんあったので、そのいくつかを書きとめてみましたが、いつものように長くなってしまいました。
本書を読み終えると、2倍3倍の成長ではなく、100倍、1000倍の進化を目指したくなるような、向上心、やる気に満ちあふれる感覚になります。
「無難で、間違いのない生き方」も素晴らしいですが、それよりも、「いまだかつて誰もなし得なかったことを果敢に取り組む」姿勢というのが大好きです。失敗し、つまづき、叩かれても、何度もはい上がって挑戦する人には魅力を感じます。
そんな、守りの生活よりも、多少リスキーでも攻めの人生を送りたい、と思っている人にはおすすめの一冊と言えると思います。
本書で幾度となく出てくるのが「アントレプレナーシップ(entrepreneurship)」という単語ですが、本文では、日本語にはこの語の持つ意味合いをぴったりと言い当てた訳語がありません。「起業家精神」あるいは「企業家精神」と訳されて使い分けられていますが、アントレプレナーシップは、なにも起業家や会社経営だけに関わるメンタリティとは限りません。
新しい物事に対して創造意欲に燃え、リスクを引き受けて果敢に挑む姿勢、不確実な未来を楽しむ精神の持ちようなどを言い表すもので、「進取の気性に富む」というと一番ニュアンスが近いかもしれませんと説明されています。
DREAM THEATER の「Images and Words」を聴きながら読んだのですが、書かれている内容と、音楽から受ける印象が非常に合致して、興奮してしまいました。低迷していたプログレッシヴ・ロックを、へヴィ・メタルというジャンルの中で復興し、他の追随を許さないドリームシアターサウンドを構築、アルバムを出す毎にファンを驚かせ(戸惑わせ)る彼らもまた、アントレプレナーシップにあふれていると思います。
それぞれの分野で第一人者として活躍している人に共通するのは、仕事に没頭し、他人を尊重し、好奇心旺盛で柔軟な頭をもっていることだと感じます。損得感情や利害打算などではなく、本気で良いものを創りだそう、とお互いが刺激し合い、向上心に燃えている人ではないでしょうか。そういう人は、一緒にいても気持ち良く、人間として魅力的だと思います。
本書は、グーグル創業者ラリー・ページとサーゲィ・ブリンや、アップル創業者スティーブ・ジョブズなど、シリコンバレーにおけるIT関連の人々の名言集といった形を取られています。心に残る言葉がたくさんあったので、そのいくつかを書きとめてみましたが、いつものように長くなってしまいました。
シリコンバレーという土地に生きていると、才能ということについて考えさせられることが多くなります。「こいつにはかなわないな」と思うような連中があらゆる分野にいますから、こうこれは仕方がないことだと多くの人が悟り、個人差ゆえの嫉妬とか羨望といった感情を超えて、すぐれた才能の持ち主と協力して、一人ではできない「より大きなこと」を目指そうという気持ちに変わっていきます。(p.60)
アントレプレナーシップを支える「常軌を逸した熱」は、「やりたいことをやる」という気持ちと「社会を良くしたい」という思いの組み合わせによって持続します。お金が最優先事項では、長期にわたってそういう熱が持続しません。むしろ成功すれば信じられないほどの富を手にできるのだけれど、あくまでそれは副次的なもの。論理性と経済性が融合したシリコンバレーのそんな独特な論理が、仕事の面白さを倍増させ、「働く意欲」の強い源になっているのです。(p.65)
自分にはない異質の才能を持った相手を認め、高く評価してはじめて、互いにまったく違う仕事を違う論理で進めていても、一緒に全力疾走することができます。お互いに尊敬し合える関係がベースにあってはじめて、共通のゴール意識を持ってチームとして突き進むことができるわけです。(p.83)
好きな人、価値観を共有していると感じられる人と意気投合して話をしていると、言葉でくどくど背景説明をする必要がありません。相手がひと言発するだけで、何を言わんとしているのかすぐ想像がつく。高速でやりとりができるため、他の人には何の話をしているのかわからないときがあるほどです。その会話の楽しさといったらありません。(p.88)
Aクラスの人は、Aクラスの人と一緒に仕事をしたがる。
Bクラスの人は、Cクラスの人を採用したがる。──シリコンバレーの格言
A-level people want to work with A-level people.
B-level people tend to hire C-level people. -- Silicon Valley proverb
(中略)
Aクラスの人は、仕事を楽しくするために、自分を向上させていくために、自分より優れた人と一緒に働きたいと考えますが、Bクラスの人は、実力に不安があるから自分よりも劣った人を採用したがる、という意味です。
(中略)
優秀な連中は優秀な連中と一緒に働くこと以外に耐えられないのだ、というのが彼らの経験から来る言葉でした。
(中略)
まさにいまのグーグルがこんな雰囲気です。時代の最先端をいく旬な企業には、トリプルAクラスの人たちが集まってきます。80年代のアップルもそうでした。Aクラスの人たちが集まって互いの力を認め合い、そういう人がまたAクラスの人材を引っ張ってきて、チームで切磋琢磨していくことで、その才能がますます磨かれていくのです。(p.93〜96)
Bクラスの人は、Cクラスの人を採用したがる。──シリコンバレーの格言
A-level people want to work with A-level people.
B-level people tend to hire C-level people. -- Silicon Valley proverb
(中略)
Aクラスの人は、仕事を楽しくするために、自分を向上させていくために、自分より優れた人と一緒に働きたいと考えますが、Bクラスの人は、実力に不安があるから自分よりも劣った人を採用したがる、という意味です。
(中略)
優秀な連中は優秀な連中と一緒に働くこと以外に耐えられないのだ、というのが彼らの経験から来る言葉でした。
(中略)
まさにいまのグーグルがこんな雰囲気です。時代の最先端をいく旬な企業には、トリプルAクラスの人たちが集まってきます。80年代のアップルもそうでした。Aクラスの人たちが集まって互いの力を認め合い、そういう人がまたAクラスの人材を引っ張ってきて、チームで切磋琢磨していくことで、その才能がますます磨かれていくのです。(p.93〜96)
一流の技術者はみな、とにかく好奇心旺盛です。自分の専門であろうがなかろうが、何でも興味を持ち、専門外の技術の話なんかが聞こえてきても、「なに、なに?」と言って興味を示します。(p.124)
モノづくりが好きな技術者の仲間たちと話をするのが何より好きだと彼は言いますが、そういう人たちが何人か集まって話すときも、全員お互いの顔は見ずに、何か手元にあるモノを見ながら話すのだそうです。
「このラインはいいな」とか「ここのちょっとしたへこみは、どんな意図でやっているんだろうね」とか、テーブルの真ん中に置かれたモノを見て、大いに盛り上がる。そして製品を見るだけで「なるほどね。この素材を使えば安くなるものなあ」「この部分でずいぶん苦労したろうなあ」というのが次々にわかって、話は尽きないのだという。だからモノを介せば、違う技術畑の人たちとも濃密に意見を交わし合えるのだそうです。
(中略)
モノを見て、それをつくった人の心がわかる──これぞ技術者の視点です。(p.127)
「このラインはいいな」とか「ここのちょっとしたへこみは、どんな意図でやっているんだろうね」とか、テーブルの真ん中に置かれたモノを見て、大いに盛り上がる。そして製品を見るだけで「なるほどね。この素材を使えば安くなるものなあ」「この部分でずいぶん苦労したろうなあ」というのが次々にわかって、話は尽きないのだという。だからモノを介せば、違う技術畑の人たちとも濃密に意見を交わし合えるのだそうです。
(中略)
モノを見て、それをつくった人の心がわかる──これぞ技術者の視点です。(p.127)
ハッカーと画家に共通することは、
どちらもモノをつくる人間だということだ。
作曲家や建築家や作家と同じように、ハッカーも画家も、
良いものをつくろうとしている──ポール・グラハム
What hackers and painters have in common is that they're both makers.
Along with composers, architects, and writers, what hackers and painters are
trying to do is make good things. -- Paul Graham
ハッカーという言葉は「コンピューターに侵入する連中」ではなく「優れたプログラマ」という意味ですが、自らもハッカーであるポール・グラハムは、ハッカーの世界観についてエッセイを書き、ネット上で発表し続けてきました。世界中のハッカーたちが、このエッセイ群は自分たちが言いたかったことを代弁していると深く共感しました。
(中略)
大学や研究所はハッカーに科学者たることを強要するが、
企業はハッカーにエンジニアたれと強要する──ポール・グラハム
Universities and research labs force hackers to be scientists,
and companies force them to be engineers.--Paul Graham
そしてもう一つ、芸術家である画家とハッカーが同じだと主張する論拠に、自発性、自分がつくりたいと思うものをつくる、ということがあります。人から言われたとおりにモノをつくる「雇われエンジニア」ではないという自負です。
(中略)
偉大なプログラマは金に関心がない、と言われることがある。
これは必ずしも正しくない。
ハッカーたちが本当に大切にしているのは、面白い仕事をすることだ。
でも、十分な金を稼げば、それからはやりたい仕事ができる。
そしてこの理由から、ハッカーは莫大な金を稼ぐことに惹かれる。──ポール・グラハム
Great programmers are sometimes said to be indefferent to money.
This isn't quite true. It is true that all they really care about is doing interesting work.
But if you make enough money, you get to work on whatever you want,
and for that reason hackers are attracted by the idea of
making really large amounts of money. -- Paul Graham
これがハッカーとベンチャーとをつなぐ論理です。
「好きなことをする」「やりたいことをして暮らす」自由を得るために、人生のある時期にベンチャー創造に関わって成功し、「経済的自立」を勝ち取れば、あとは一生、自分がつくりたいモノをつくりながら自由に生きていく権利を得る、という考え方です。
(中略)
ハッカー集団においては、誰かが書いたコードの良し悪し、プログラミング能力のレベルは完全に見抜かれ、理解されてしまいます。コードの素晴らしさのみで、互いの序列は決まる。自分を理解してくれる周囲のハッカーによって評価され賞賛されることを何よりの喜びとします。
金銭的動機の無いオープンソースの開発者たちはもちろん、シリコンバレーのハッカーたちのコミュニティでも、内発的な動機付けをとても重視します。優れたものが生まれるときのモチベーションは、報酬ではなく、自分がやりたいと思うことを思い切りやり、その意味を理解する仲間がきちんと賞賛してくれることにあるという考え方です。
そしてこういう世界は、とにかく没頭している度合いの深い人が勝つ。
またハッカーたちは、多かれ少なかれ皆、カウンターカルチャー的な気分を内包しています。テクノロジーでできることははっきりと彼らの目には見える。でも現実はそうなっていないことが多い。当然、社会への潜在的な不満足感が生まれますから、自分たちの手を動かして新しいものをつくり出そうとするのです。(p.129〜134)
どちらもモノをつくる人間だということだ。
作曲家や建築家や作家と同じように、ハッカーも画家も、
良いものをつくろうとしている──ポール・グラハム
What hackers and painters have in common is that they're both makers.
Along with composers, architects, and writers, what hackers and painters are
trying to do is make good things. -- Paul Graham
ハッカーという言葉は「コンピューターに侵入する連中」ではなく「優れたプログラマ」という意味ですが、自らもハッカーであるポール・グラハムは、ハッカーの世界観についてエッセイを書き、ネット上で発表し続けてきました。世界中のハッカーたちが、このエッセイ群は自分たちが言いたかったことを代弁していると深く共感しました。
(中略)
大学や研究所はハッカーに科学者たることを強要するが、
企業はハッカーにエンジニアたれと強要する──ポール・グラハム
Universities and research labs force hackers to be scientists,
and companies force them to be engineers.--Paul Graham
そしてもう一つ、芸術家である画家とハッカーが同じだと主張する論拠に、自発性、自分がつくりたいと思うものをつくる、ということがあります。人から言われたとおりにモノをつくる「雇われエンジニア」ではないという自負です。
(中略)
偉大なプログラマは金に関心がない、と言われることがある。
これは必ずしも正しくない。
ハッカーたちが本当に大切にしているのは、面白い仕事をすることだ。
でも、十分な金を稼げば、それからはやりたい仕事ができる。
そしてこの理由から、ハッカーは莫大な金を稼ぐことに惹かれる。──ポール・グラハム
Great programmers are sometimes said to be indefferent to money.
This isn't quite true. It is true that all they really care about is doing interesting work.
But if you make enough money, you get to work on whatever you want,
and for that reason hackers are attracted by the idea of
making really large amounts of money. -- Paul Graham
これがハッカーとベンチャーとをつなぐ論理です。
「好きなことをする」「やりたいことをして暮らす」自由を得るために、人生のある時期にベンチャー創造に関わって成功し、「経済的自立」を勝ち取れば、あとは一生、自分がつくりたいモノをつくりながら自由に生きていく権利を得る、という考え方です。
(中略)
ハッカー集団においては、誰かが書いたコードの良し悪し、プログラミング能力のレベルは完全に見抜かれ、理解されてしまいます。コードの素晴らしさのみで、互いの序列は決まる。自分を理解してくれる周囲のハッカーによって評価され賞賛されることを何よりの喜びとします。
金銭的動機の無いオープンソースの開発者たちはもちろん、シリコンバレーのハッカーたちのコミュニティでも、内発的な動機付けをとても重視します。優れたものが生まれるときのモチベーションは、報酬ではなく、自分がやりたいと思うことを思い切りやり、その意味を理解する仲間がきちんと賞賛してくれることにあるという考え方です。
そしてこういう世界は、とにかく没頭している度合いの深い人が勝つ。
またハッカーたちは、多かれ少なかれ皆、カウンターカルチャー的な気分を内包しています。テクノロジーでできることははっきりと彼らの目には見える。でも現実はそうなっていないことが多い。当然、社会への潜在的な不満足感が生まれますから、自分たちの手を動かして新しいものをつくり出そうとするのです。(p.129〜134)
一流の人たちに共通するのは、「技術者の眼」で世の中の変化を見通す力、妥協を排する強さ、細部への徹底的なこだわり、そしてそれを実現するための勤勉と没頭の継続です。私たちはここからとても多くのことを学ぶことができると思います。(p.172)
グーグルの第一論理──「邪悪であってはいけない」
「邪悪であってはいけない」(中略)
もちろん、人によって邪悪さについての意見は
少し異なるかもしれないが、
大部分の人はそれに関する的確な考え方を持っているものだ。
もし100人の平均的な人たちに尋ねれば、どちらが正しいか、
ほとんどみんな一致すると思うよ。──エリック・シュミット
"Don't be evil." (・・・) Of course, people may slightly disagree over evil,
but most people have a pretty accurate model. If you ask the average group of
a hundred people, pretty much everybody would agree about
which side of the fence things belong on. -- Eric Schmidt
(中略)
私の昔からの友人が、最近グーグルに転職したのですが、
「仰天したよ。この会社は本当に性善説で動いている」
とびっくりしていました。おおよそ普通の会社では考えにくい判断の仕方で、意思決定が進んでいく。これまでの彼の経験から、「そんなことでは会社は回らないぞ」という言葉がついのどまで出かかる、それを日々必死で堪えていると苦笑いしていました。
こういう話をすると、そんなことがあるわけないだろう、という反応に日本ではよく出合います。しかし私は「邪悪であってはいけない」というグーグルのモットーは、「情報を押さえる」という社会的責任の大きい仕事をしていく者が、自覚的に自らを律している言葉なのだと思います。
(中略)
しかし、たとえグーグルの社員たちが本当に「邪悪であってはいけない」と考えながら真剣に仕事をしていたとしても、そもそも「世界中の情報を整理し尽くしてあまねく誰にも行き渡らせる」というミッションは、私たちの社会の現実との間で大きな齟齬(そご)をきたすものです。各国の政府の機密保持や統治システムの思想との間でも相容れないし、個人のプライバシー保護の問題とどう折り合いをつけるかも難しい。
そういう矛盾はすべてわかったうえで、それでも「世界中の情報を整理し尽くしてあまねく行き渡らせる」ことは良いことなのだという信念のもと、社会の現実との間に危ういながらも何とか均衡を保つためには、少なくとも運営側の意識として「邪悪であってはいけない」という論理がなければ絶対にうまくいかない。それだけは確かなことでしょう。(p.176〜179)
「邪悪であってはいけない」(中略)
もちろん、人によって邪悪さについての意見は
少し異なるかもしれないが、
大部分の人はそれに関する的確な考え方を持っているものだ。
もし100人の平均的な人たちに尋ねれば、どちらが正しいか、
ほとんどみんな一致すると思うよ。──エリック・シュミット
"Don't be evil." (・・・) Of course, people may slightly disagree over evil,
but most people have a pretty accurate model. If you ask the average group of
a hundred people, pretty much everybody would agree about
which side of the fence things belong on. -- Eric Schmidt
(中略)
私の昔からの友人が、最近グーグルに転職したのですが、
「仰天したよ。この会社は本当に性善説で動いている」
とびっくりしていました。おおよそ普通の会社では考えにくい判断の仕方で、意思決定が進んでいく。これまでの彼の経験から、「そんなことでは会社は回らないぞ」という言葉がついのどまで出かかる、それを日々必死で堪えていると苦笑いしていました。
こういう話をすると、そんなことがあるわけないだろう、という反応に日本ではよく出合います。しかし私は「邪悪であってはいけない」というグーグルのモットーは、「情報を押さえる」という社会的責任の大きい仕事をしていく者が、自覚的に自らを律している言葉なのだと思います。
(中略)
しかし、たとえグーグルの社員たちが本当に「邪悪であってはいけない」と考えながら真剣に仕事をしていたとしても、そもそも「世界中の情報を整理し尽くしてあまねく誰にも行き渡らせる」というミッションは、私たちの社会の現実との間で大きな齟齬(そご)をきたすものです。各国の政府の機密保持や統治システムの思想との間でも相容れないし、個人のプライバシー保護の問題とどう折り合いをつけるかも難しい。
そういう矛盾はすべてわかったうえで、それでも「世界中の情報を整理し尽くしてあまねく行き渡らせる」ことは良いことなのだという信念のもと、社会の現実との間に危ういながらも何とか均衡を保つためには、少なくとも運営側の意識として「邪悪であってはいけない」という論理がなければ絶対にうまくいかない。それだけは確かなことでしょう。(p.176〜179)
「すごい(Great)」だけじゃ不十分だ。
いつも期待されている以上の結果を出せ。
グーグルは「(誰かと比較して)ベストである」ことを
到達点と甘んじない。それはあくまでも出発点だ。──グーグル10ヵ条の10
Great just ins't good enough. Always deliver more than expected.
Google does not accept being the best as an endpoint, but a starting point. -- Ten things Google has found to be true.
この言葉も、完璧を目指すグーグルの姿勢をよく表している言葉です。競合という概念がグーグルには希薄です。「(誰かと比較して)ベストである」ことには価値を見出さず、それは出発点に過ぎないと考えるからです。
世界中の情報を整理し尽くしたうえで、利用者の意図を完璧に汲み取って、ぴったりと合った情報を、無限と言うべきネット上の全体から瞬時に探し出して返す。グーグルの定義する完璧な検索エンジンとは人工知能そのものです。そういう遥か高いところに目標を置き、難問の解決に取り組むのがグーグルの姿勢です。(p.194)
いつも期待されている以上の結果を出せ。
グーグルは「(誰かと比較して)ベストである」ことを
到達点と甘んじない。それはあくまでも出発点だ。──グーグル10ヵ条の10
Great just ins't good enough. Always deliver more than expected.
Google does not accept being the best as an endpoint, but a starting point. -- Ten things Google has found to be true.
この言葉も、完璧を目指すグーグルの姿勢をよく表している言葉です。競合という概念がグーグルには希薄です。「(誰かと比較して)ベストである」ことには価値を見出さず、それは出発点に過ぎないと考えるからです。
世界中の情報を整理し尽くしたうえで、利用者の意図を完璧に汲み取って、ぴったりと合った情報を、無限と言うべきネット上の全体から瞬時に探し出して返す。グーグルの定義する完璧な検索エンジンとは人工知能そのものです。そういう遥か高いところに目標を置き、難問の解決に取り組むのがグーグルの姿勢です。(p.194)
会社が大きくなっても、膨大な量の情報を共有し、チーム単位で皆ものすごいスピードで走りながら新しい試みを続けていれば、それを束ねる経営トップの立場からミクロに見ると、会社は混沌したカオスのようでしょう。しかしそれを整理しすぎて、全体を分かりやすくしてしまっては、肝心のイノベーションは生まれません。
最近の日本企業では、個人情報漏洩を防ごうとして、またコンプライアンス経営への傾斜が強くなり、何かをやろうとすれば常にそれをやってよいかを管理部門にお伺いを立てるといった方向にいく例や、さまざまなことを厳しく管理しようとする部門が力を持ちすぎる例がよく見られます。そういう会社では混沌はなくなるかもしれませんが、活気が失われ、イノベーションが生まれなくなります。
小さい組織のいいところは、失うものがまだ大きくないから、失敗もしやすいことです。
勝手にみんながいろいろやって仮に失敗しても、もともと小さくて始まったばかりの会社ですから、損失などたかが知れています。そういう環境での自由な試行錯誤からイノベーションが生まれます。
ミスを犯してくれて大変嬉しい。
「あまりに慎重でほとんど何もしない」のではなく、
「迅速に動き、たくさんのことをする」会社を私は経営したい。
もしこうしたミスをまったく犯さないとすれば、
私たちは十分なリスクを取っていないことになる。──ラリー・ページ
I'm so glad you made this mistake, because I want to run a company
where we are moving too quickly and doing too much, not being too cautious
and doing too little. If we don't have any of these mistakes,
we're just not taking enough risk. -- Larry Page
(中略)
大企業になれば、失うものも多くなります。試行錯誤もいいけれど、失敗したときの代償も大きくなるわけです。それがきっかけでみな、大きな会社になると「普通の会社」になっていきます。こうしたストーリーをあえて雑誌に公開していくことで、グーグルは、会社が大きくなっても「普通の会社」にならず、社員がどんどん大胆な挑戦をし続けられるようトップが腐心しているのだと思います。(p.213)
最近の日本企業では、個人情報漏洩を防ごうとして、またコンプライアンス経営への傾斜が強くなり、何かをやろうとすれば常にそれをやってよいかを管理部門にお伺いを立てるといった方向にいく例や、さまざまなことを厳しく管理しようとする部門が力を持ちすぎる例がよく見られます。そういう会社では混沌はなくなるかもしれませんが、活気が失われ、イノベーションが生まれなくなります。
小さい組織のいいところは、失うものがまだ大きくないから、失敗もしやすいことです。
勝手にみんながいろいろやって仮に失敗しても、もともと小さくて始まったばかりの会社ですから、損失などたかが知れています。そういう環境での自由な試行錯誤からイノベーションが生まれます。
ミスを犯してくれて大変嬉しい。
「あまりに慎重でほとんど何もしない」のではなく、
「迅速に動き、たくさんのことをする」会社を私は経営したい。
もしこうしたミスをまったく犯さないとすれば、
私たちは十分なリスクを取っていないことになる。──ラリー・ページ
I'm so glad you made this mistake, because I want to run a company
where we are moving too quickly and doing too much, not being too cautious
and doing too little. If we don't have any of these mistakes,
we're just not taking enough risk. -- Larry Page
(中略)
大企業になれば、失うものも多くなります。試行錯誤もいいけれど、失敗したときの代償も大きくなるわけです。それがきっかけでみな、大きな会社になると「普通の会社」になっていきます。こうしたストーリーをあえて雑誌に公開していくことで、グーグルは、会社が大きくなっても「普通の会社」にならず、社員がどんどん大胆な挑戦をし続けられるようトップが腐心しているのだと思います。(p.213)
人々の善性を信じよ
良い人々がより良く振る舞えるようにする環境づくりを、
本気で考えなければならないと思う。
同時にネガティブな人々のもたらす影響を弱めて
小さくすることも重要だ──ピエール・オミディア
I really think it's important to just focus on what the environment needs to look like
to encourage the good people to behave even better and to mitigate
and minimize the effects of the negative people. -- Pierre Omidy
(中略)
ネガティブな側面を増幅したり過敏に反応したりするのではなく、それとは全く逆の発想で、ポジティブな人の連鎖を増幅させようとする。
シリコンバレー発のネット文化の根底にはこういう成熟した考え方が流れていて、それがネット上におけるある種の「大人の流儀」をつくり出しています。システムのつくり手が不特定多数への信頼を強い信念として持っていて、かつメッセージとして強く打ち出しているところに意味があります。(p.231〜232)
良い人々がより良く振る舞えるようにする環境づくりを、
本気で考えなければならないと思う。
同時にネガティブな人々のもたらす影響を弱めて
小さくすることも重要だ──ピエール・オミディア
I really think it's important to just focus on what the environment needs to look like
to encourage the good people to behave even better and to mitigate
and minimize the effects of the negative people. -- Pierre Omidy
(中略)
ネガティブな側面を増幅したり過敏に反応したりするのではなく、それとは全く逆の発想で、ポジティブな人の連鎖を増幅させようとする。
シリコンバレー発のネット文化の根底にはこういう成熟した考え方が流れていて、それがネット上におけるある種の「大人の流儀」をつくり出しています。システムのつくり手が不特定多数への信頼を強い信念として持っていて、かつメッセージとして強く打ち出しているところに意味があります。(p.231〜232)
真に偉大な企業は、欲によってではなく、情熱によってつくられる。
現在の市場環境は、強い情熱を持ったアントレプナーを
見つけるための素晴らしいフィルターである。──ウィリアム・ガーレイ
Truly great companies aren't built by the greedy, but by the passionate. (・・・)
Today's market is a great filter for finding passion-driven entrepreneurs. -- William Gurley(p.214)
現在の市場環境は、強い情熱を持ったアントレプナーを
見つけるための素晴らしいフィルターである。──ウィリアム・ガーレイ
Truly great companies aren't built by the greedy, but by the passionate. (・・・)
Today's market is a great filter for finding passion-driven entrepreneurs. -- William Gurley(p.214)
若い人の流儀を尊重する
エリック(・シュミット)は新しいゲームをプレーするために、
自分の振る舞いを完全に変えた。エリックほどの成功者であれば、
自分は万事心得ていると考えても許されるだろう。グーグルにやって来て、
おい青二才、俺がやり方を教えてやるよ、と彼が言ったって許されたはずだ。
そうではなく、彼は話を聞いた。そして観察した。
何が起きているのかを見極めた。
自分がこれまでうまくやってきたことのうち、
どの部分がグーグルをより良くするか、見極めたのだ。
グーグルのオリジナルチームがやってきたどの部分が
彼自身(エリック)をよりよくするか、見極めたのだ。
これがマネジメントの極意だ。──ロジャー・マクナミー
Eric has totally modified his behavior in order to play a new game.
When you have been as successful as Eric has been, you're entitled to think
that you know a thing or two. He could have been forgiven
if he had shown up at Google and said, Hey, you young whippersnappers,
let me show you how it's done. Instead, he listened. He watched.
He figured out what the business was.
He figured out which parts of what he did well would make it better
and which parts of what the original team did were going to make him better.
That's the essence of management. -- Roger McNamee
(中略)
シュミットは、過去の成功体験にしがみつくのではなく、自分を変えた。若い人たちがやっていることを、聞いて、見て、そこで行われていることを理解して、その一部になっていこうとします。年長で経験も豊富だからといって、若い人たちに自分のやり方を押し付けることはしない。自分の経験を腑分けして、その中から本当に役に立つものだけを選び出してグーグルに注入しようとした、とロジャーは分析します。
これが、シュミットの大人の流儀でした。互いへの尊重を基盤においた、優れたチームマネジメント法といえます。
(中略)
新しい世代の新しい流儀を否定せずに応援すること、それが大人たちに求められる真のマネジメント力です。(p.248〜251)
エリック(・シュミット)は新しいゲームをプレーするために、
自分の振る舞いを完全に変えた。エリックほどの成功者であれば、
自分は万事心得ていると考えても許されるだろう。グーグルにやって来て、
おい青二才、俺がやり方を教えてやるよ、と彼が言ったって許されたはずだ。
そうではなく、彼は話を聞いた。そして観察した。
何が起きているのかを見極めた。
自分がこれまでうまくやってきたことのうち、
どの部分がグーグルをより良くするか、見極めたのだ。
グーグルのオリジナルチームがやってきたどの部分が
彼自身(エリック)をよりよくするか、見極めたのだ。
これがマネジメントの極意だ。──ロジャー・マクナミー
Eric has totally modified his behavior in order to play a new game.
When you have been as successful as Eric has been, you're entitled to think
that you know a thing or two. He could have been forgiven
if he had shown up at Google and said, Hey, you young whippersnappers,
let me show you how it's done. Instead, he listened. He watched.
He figured out what the business was.
He figured out which parts of what he did well would make it better
and which parts of what the original team did were going to make him better.
That's the essence of management. -- Roger McNamee
(中略)
シュミットは、過去の成功体験にしがみつくのではなく、自分を変えた。若い人たちがやっていることを、聞いて、見て、そこで行われていることを理解して、その一部になっていこうとします。年長で経験も豊富だからといって、若い人たちに自分のやり方を押し付けることはしない。自分の経験を腑分けして、その中から本当に役に立つものだけを選び出してグーグルに注入しようとした、とロジャーは分析します。
これが、シュミットの大人の流儀でした。互いへの尊重を基盤においた、優れたチームマネジメント法といえます。
(中略)
新しい世代の新しい流儀を否定せずに応援すること、それが大人たちに求められる真のマネジメント力です。(p.248〜251)
まだ何者でもない若者を支援する
私はただ、20代そこそこで会社を始める才能のある奴らの
熱狂的ファンなんだ。──マイケル・モリッツ
I am just an incredibly enthusiastic fan of very talented
20-somethings starting companies. -- Michael Moritz
(中略)
頭が良くって、でも経験のないアンダードッグ(負け犬)が大好きだ。──マイケル・モリッツ
We have a fondness for smart but perhaps inexperienced underdogs.
アンダードッグは負け犬という意味ですが、ここでは、未経験なまだ何者でもない若者というイメージです。
(中略)
どんな人も最初は何者でもなかったわけです。当たり前ですね。グーグルの創業者だって普通の大学院生だったわけだし、スティーブ・ジョブズがアップルを始めるときに何の実績があったでしょうか。そういう人材に早い時期に目をつけて投資して当たれば莫大なリターンが返ってくる世界です。
世界を変える新しいものをつくり出す人は、何者でもないところからいきなり出てくる。それをシリコンバレーの大人たちはみな、骨身に沁みてわかっているのです。
(中略)
玉石混淆のなかから、世界を変えるものが登場するのは、ごくまれです。そこへの投資は、単純に金儲けしたいという動機だけではやや無理がある。やはり、社会全体で若者たちを信じ、その才能や力に賭けたい、心底応援するプロセスを楽しみたいという空気がなければ、なかなかできることではありません。(p.252〜255)
私はただ、20代そこそこで会社を始める才能のある奴らの
熱狂的ファンなんだ。──マイケル・モリッツ
I am just an incredibly enthusiastic fan of very talented
20-somethings starting companies. -- Michael Moritz
(中略)
頭が良くって、でも経験のないアンダードッグ(負け犬)が大好きだ。──マイケル・モリッツ
We have a fondness for smart but perhaps inexperienced underdogs.
アンダードッグは負け犬という意味ですが、ここでは、未経験なまだ何者でもない若者というイメージです。
(中略)
どんな人も最初は何者でもなかったわけです。当たり前ですね。グーグルの創業者だって普通の大学院生だったわけだし、スティーブ・ジョブズがアップルを始めるときに何の実績があったでしょうか。そういう人材に早い時期に目をつけて投資して当たれば莫大なリターンが返ってくる世界です。
世界を変える新しいものをつくり出す人は、何者でもないところからいきなり出てくる。それをシリコンバレーの大人たちはみな、骨身に沁みてわかっているのです。
(中略)
玉石混淆のなかから、世界を変えるものが登場するのは、ごくまれです。そこへの投資は、単純に金儲けしたいという動機だけではやや無理がある。やはり、社会全体で若者たちを信じ、その才能や力に賭けたい、心底応援するプロセスを楽しみたいという空気がなければ、なかなかできることではありません。(p.252〜255)
愛するものを全うする
最後に、2005年夏、スタンフォード大学卒業生向け講演でのスティーブ・ジョブズの名スピーチを取り上げたいと思います。
君たちの時間は限られている。
その時間を、他の誰かの人生を生きることで無駄遣いしてはいけない。
ドグマにとらわれてはいけない。
それでは他人の思考の結果とともに生きることになる。
他人の意見の雑音で、自分の内なる声を掻き消してはいけない。
最も重要なことは、君たちの心や直感に従う勇気を持つことだ。
心や直感は、君たちが本当になりたいものが何かを、
もうとうの昔に知っているものだ。
だからそれ以外のことは全て二の次でいい。──スティーブ・ジョブズ
Your time is limited, so don't waste living someone else's life.
Don't be trapped by dogma -- which is living with the results of other people's thinking.
Don't let the noise of others' opinions drown out your own inner voice.
And most important, have the courage to follow your heart and intuition.
They somehow already know what you truly want to become.
Everything else is secondary. -- Steve Jobs
(中略)
偉大な仕事をする唯一の方法は、あなたがすることを愛することだ。
まだ見つかっていないなら探し続けろ。落ち着いちゃいけない。
まさに恋愛と同じで、見つかればすぐにそれとわかる。
そして素晴らしい人間関係と同じで、年を重ねるごとにもっと良くなる。
だから見つかるまで探し続けろ。探すのをやめてはいけない。──スティーヴ・ジョブズ
The only way to do great work is to love what you do. If you haven't found it yet,
keep looking. Don't settle. As with all matters of the heart, you'll know
when you find it. And, like any great relationship, it just gets better and better
as the years roll on. So keep looking until you find it. Don't settle. -- Steve Jobs
(中略)
他の誰かの人生を生きてはいけない。好きなことを探し続け、落ち着いてはいけない。探すのをやめてはいけない。内なる声に従い、自分の愛する仕事を全うする、そうすることで真に価値あるものが達成される。それ以外のことはすべて二の次でいい。本当にその通りだと思います。
自分がやらない限り世に起こさないことを私はやる。──ビル・ジョイ
I try to work on things that won't happen unless I do them. -- Bill Joy
(中略)
人と同じことをやるのはお手本があって安心かもしれないけれど、そればかりやっていると、いつでも代替がきくコモディティになりやすい。一方、個性や志向性を追求すれば、万人には理解されなくて不安かもしれないけれど、理解者を得れば理解者との間に強い絆をつくることができる。それが脱コモディティ化の要諦です。たとえどんなに小さな達成でも、他者が絶対にやらないような組み合わせを工夫することは、コモディティ化を避けるきわめて重要な考え方です。そしてそれは、「時代の大きな変わり目」をサバイバルするための要諦そのものです。
最後に、2005年夏、スタンフォード大学卒業生向け講演でのスティーブ・ジョブズの名スピーチを取り上げたいと思います。
君たちの時間は限られている。
その時間を、他の誰かの人生を生きることで無駄遣いしてはいけない。
ドグマにとらわれてはいけない。
それでは他人の思考の結果とともに生きることになる。
他人の意見の雑音で、自分の内なる声を掻き消してはいけない。
最も重要なことは、君たちの心や直感に従う勇気を持つことだ。
心や直感は、君たちが本当になりたいものが何かを、
もうとうの昔に知っているものだ。
だからそれ以外のことは全て二の次でいい。──スティーブ・ジョブズ
Your time is limited, so don't waste living someone else's life.
Don't be trapped by dogma -- which is living with the results of other people's thinking.
Don't let the noise of others' opinions drown out your own inner voice.
And most important, have the courage to follow your heart and intuition.
They somehow already know what you truly want to become.
Everything else is secondary. -- Steve Jobs
(中略)
偉大な仕事をする唯一の方法は、あなたがすることを愛することだ。
まだ見つかっていないなら探し続けろ。落ち着いちゃいけない。
まさに恋愛と同じで、見つかればすぐにそれとわかる。
そして素晴らしい人間関係と同じで、年を重ねるごとにもっと良くなる。
だから見つかるまで探し続けろ。探すのをやめてはいけない。──スティーヴ・ジョブズ
The only way to do great work is to love what you do. If you haven't found it yet,
keep looking. Don't settle. As with all matters of the heart, you'll know
when you find it. And, like any great relationship, it just gets better and better
as the years roll on. So keep looking until you find it. Don't settle. -- Steve Jobs
(中略)
他の誰かの人生を生きてはいけない。好きなことを探し続け、落ち着いてはいけない。探すのをやめてはいけない。内なる声に従い、自分の愛する仕事を全うする、そうすることで真に価値あるものが達成される。それ以外のことはすべて二の次でいい。本当にその通りだと思います。
自分がやらない限り世に起こさないことを私はやる。──ビル・ジョイ
I try to work on things that won't happen unless I do them. -- Bill Joy
(中略)
人と同じことをやるのはお手本があって安心かもしれないけれど、そればかりやっていると、いつでも代替がきくコモディティになりやすい。一方、個性や志向性を追求すれば、万人には理解されなくて不安かもしれないけれど、理解者を得れば理解者との間に強い絆をつくることができる。それが脱コモディティ化の要諦です。たとえどんなに小さな達成でも、他者が絶対にやらないような組み合わせを工夫することは、コモディティ化を避けるきわめて重要な考え方です。そしてそれは、「時代の大きな変わり目」をサバイバルするための要諦そのものです。
当然のことながら、仕事やビジネスには、「攻め」の部分と「守り」の部分の両方があります。これまでにできあがっている約束事に従い「守りの仕事」を粛々とこなしていくことはとても大切なことです。しかし「守りの仕事」のメンタリティだけでは、イノベーションによって未来を創造することはできない。
個や組織が「攻め」の姿勢を明確にし、「守りの仕事」の一つひとつにも独創的な「攻め」の部分を盛り込んでいくことが、これからはより求められていくでしょう。それが高コスト構造の先進国たる日本の宿命だからです。
(中略)
人や組織、地域や国には、それぞれ長所があり、短所があります。シリコンバレーもその例外ではありません。しかしシリコンバレーという地の、こと未来志向の「攻めの仕事」となったときの創造性の爆発的発露、無から有を生み出す想像力やフロンティア開拓の冒険心は、本当に目を瞠(みは)るものがある。その点に関しては、世界中のどの地にも存在しない不思議な力がここにはあります。
(中略)
私自身もこれからは本書を座右に置き、歳を重ねるごとに押し寄せてくる「守りに入る誘惑」に抗していきたいと思っています。
個や組織が「攻め」の姿勢を明確にし、「守りの仕事」の一つひとつにも独創的な「攻め」の部分を盛り込んでいくことが、これからはより求められていくでしょう。それが高コスト構造の先進国たる日本の宿命だからです。
(中略)
人や組織、地域や国には、それぞれ長所があり、短所があります。シリコンバレーもその例外ではありません。しかしシリコンバレーという地の、こと未来志向の「攻めの仕事」となったときの創造性の爆発的発露、無から有を生み出す想像力やフロンティア開拓の冒険心は、本当に目を瞠(みは)るものがある。その点に関しては、世界中のどの地にも存在しない不思議な力がここにはあります。
(中略)
私自身もこれからは本書を座右に置き、歳を重ねるごとに押し寄せてくる「守りに入る誘惑」に抗していきたいと思っています。
++ 2007.12.24 Mon ++
梅田望夫 〜 ウェブ時代をゆく
『ウェブ進化論』
と同様、ネット世界の現状が分かりやすい譬えで表現されています。
今まで様々なデータを個人のPCの中に保存していたのを、ウェブ上、すなわち「あちら側の世界」に保存・公開して「知」の共有が可能となったのは、google が「検索」という手段で、あたかも神のようにその情報を司るようになったからです。
「あちら側の世界」に蓄えられた情報は「もうひとつの地球」と表現される膨大なものとなりましたが、google の進化は止まる事を知らず、一度その世界に足を踏み込めば、私達は大抵の事を知ることが出来ます。しかも、時間的にも金銭的にも、現実世界とは比較にならない効率なのです。この本の表現を借りて譬えるなら、流しそうめんで、麺が流れてくるのを待って確保するのではなく、いつでも目の前にそうめんが流れているのだから、気持ちさえあれば好きな時に好きなだけそうめんを食べることが出来るようなものです。
本書では、羽生善治棋士の提示した「学習の高速道路と大渋滞」の概念を出発点として論旨が展開されてゆきます。
どうしてそのようなことが可能なのか?筆者はウェブの進化を「経済のゲーム」としてではなく「知と情報のゲーム」としてとらえています。
・生きるために水を飲むような読書
・これからの知的生活には資産より時間
・ネットは知恵を預けると利子をつけて返す銀行
・群衆の叡智を味方につける勉強法
など気に入った表現はあげればきりがありません。
要は、賛否あるネットの未来は、使う側の意識如何により、無限の可能性を提示するものになり得るということではないでしょうか。この本は、読めば読むほど前向きな考えになり、ワクワクする感動が得られると思います。
Links:
My Life Between Silicon Valley and Japan ← 著者ブログ
茂木健一郎 クオリア日記
小粋空間
読書メモ帳
今まで様々なデータを個人のPCの中に保存していたのを、ウェブ上、すなわち「あちら側の世界」に保存・公開して「知」の共有が可能となったのは、google が「検索」という手段で、あたかも神のようにその情報を司るようになったからです。
「あちら側の世界」に蓄えられた情報は「もうひとつの地球」と表現される膨大なものとなりましたが、google の進化は止まる事を知らず、一度その世界に足を踏み込めば、私達は大抵の事を知ることが出来ます。しかも、時間的にも金銭的にも、現実世界とは比較にならない効率なのです。この本の表現を借りて譬えるなら、流しそうめんで、麺が流れてくるのを待って確保するのではなく、いつでも目の前にそうめんが流れているのだから、気持ちさえあれば好きな時に好きなだけそうめんを食べることが出来るようなものです。
本書では、羽生善治棋士の提示した「学習の高速道路と大渋滞」の概念を出発点として論旨が展開されてゆきます。
いったん言語化された知がネットを介して容易に共有されるこれからの時代は、ある分野を極めたいという意思さえ持てば、あたかも高速道路を疾走するかのようなスピードで、効率よく過去の叡智を吸収できる。そんな「学習の高速道路」があらゆる分野に敷かれようとしている。「学習の高速道路」自体はたとえば、リタイア後の生活に経済的不安がない団塊の世代の方々が大好きな趣味や専門を楽しみながら極めていきたいと考える場合など、すばらしいことこのうえない。
しかし「学習の高速道路」も高速道路を走りきったなと思ったあたり(「その道のプロ」寸前)で大渋滞が起こるのだと羽生は言う。同質の勉強の仕方でたどりつけるのはそこまで。誰にも機会が開かれるゆえ参入者も増え、しかも後の世代も次々に疾走してきては「その道のプロ」寸前で大渋滞にはまる。「その道のプロ」として飯を食い続けていけるかどうかは、大渋滞に差し掛かったあとにどう生きるかの創造性にかかる。これが羽生の問題提起であった。
(中略)
大渋滞の先でサバイバルするには、大渋滞を抜けようと「高く険しい道」を目指すか、大渋滞に差し掛かったところで高速道路を降りて道標のない「けものみち」を歩いてゆくか、その二つの選択肢があると私は思う。そのどちらの道を目指すにせよ、自らの「向き不向き」と向き合い、自らの志向性を強く意識し(それが戦略性そのもの)、「好きを貫く」ことこそが競争力を生むと私は考える。
本書を読んで感動したのは、この「好きを貫く」というところです。「できること」をするのではなく、「やりたいこと」をやる……一昔前にこのような考えを述べていたら「好きなことだけをして生きて行けるほど世の中甘くない」と一笑に付されてしまうところでしょうが、ウェブの進化により、その様相が大きく変わってきているのです。「ちょっと好き」という程度ではなく、「人生をうずめる」ほど没頭し「きわめて勤勉」といえるほどの熱意をもってすれば、「ありえない夢」が「簡単ではないけれど実現可能な夢(プロ野球選手になるよりは100倍簡単)」になっているようです。しかし「学習の高速道路」も高速道路を走りきったなと思ったあたり(「その道のプロ」寸前)で大渋滞が起こるのだと羽生は言う。同質の勉強の仕方でたどりつけるのはそこまで。誰にも機会が開かれるゆえ参入者も増え、しかも後の世代も次々に疾走してきては「その道のプロ」寸前で大渋滞にはまる。「その道のプロ」として飯を食い続けていけるかどうかは、大渋滞に差し掛かったあとにどう生きるかの創造性にかかる。これが羽生の問題提起であった。
(中略)
大渋滞の先でサバイバルするには、大渋滞を抜けようと「高く険しい道」を目指すか、大渋滞に差し掛かったところで高速道路を降りて道標のない「けものみち」を歩いてゆくか、その二つの選択肢があると私は思う。そのどちらの道を目指すにせよ、自らの「向き不向き」と向き合い、自らの志向性を強く意識し(それが戦略性そのもの)、「好きを貫く」ことこそが競争力を生むと私は考える。
どうしてそのようなことが可能なのか?筆者はウェブの進化を「経済のゲーム」としてではなく「知と情報のゲーム」としてとらえています。
「経済のゲーム」の観点では、ウェブ2.0は思ったよりお金が回らないではないかという嘆息がこれから出てくるはずだ。「群衆の叡智」の周辺には大きなお金の匂いがしないではないかと。しかし逆に、そこが大きなお金とは切り離された空間だからこそ、悪があえて介入するだけのインセンティブが小さく、それにより善性が際立つ「知と情報のゲーム」の空間になっているともいえるのではないだろうか。
チープ革命、受益者非負担型インフラ、無償サービス、情報の共有……。ウェブ進化のキーワードをならべてみればまさに、「貨幣経済の外側で活動する能力」がパワーアップされて、広く誰にも開かれていく未来が見えてくる。お金をあまりかけずとも、「内面的報酬」を求めて、能動的で創造的な行為における「好き」を貫く自由が広がるのだ。
そして、もうひとつの地球の住民に、新たなリーダーが生まれれば、現実社会とは異なる世界が広がってゆくと主張しています。そういう営みを成功させるためには、まったく新しいリーダーシップが必要なことをこの10年は指し示しているのではなかろうか。自然状態のネットのパブリック空間は、善悪、清濁、可能性と危険といった社会的矛盾を含む混沌なのだが、その中核に「不特定多数を信頼する」心を持ち「人生をうずめる」ように「好き」な対象に没頭するリーダーが現れたときに、そのリーダーが作りだすコミュニティは公共性・利他性を帯び始めるのだ。
このような、リアルの世界とは違う「もうひとつの地球」を生きるにはどうすればよいか、詳しく考察されていますが、なかでも心に残ったのが以下の内容です。あらゆる面で徹底的にネットを活用すること。自分の志向性や専門性や人間関係を拠り所に「自分にしか生み出せない価値」(さまざまな要素からなる複合技)を定義して常に情報を発信していくこと(ブログが名刺になるくらいに。自分にとって大切ないくつかのキーワードの組み合わせで検索すると自分のエントリーが上位に並ぶようなイメージ)。自分の価値を理解して対価を支払ってくれる人が存在する状態を維持しようと心掛けること。
ネット空間から即座に反応が返ってくることに興奮したり、ミクシィで友だちをたくさん作りそこから生まれる新しい関係を積極的に面白がっている「働き者」タイプの人たちは、「そんなことなにが面白いの」と言っている「面倒くさがりや」タイプの「怠け者」よりも、あきらかに「けものみち」向きである。これまでの日本社会は「頭のいい人」対「悪い人」、「記憶力のいい人」対「悪い人」という軸で社会が動いてきた面が強いが、「けものみち」では「働き者」対「怠け者」が軸となる。「けものみち」で「頭がよければいいだろう」というのは通用しない。何かを知っている、何かを記憶しているというタイプの頭のよさは、あまり重要ではなくなるからだ。
英語で「in the right place at the right time」という言葉がある。「正しいときに正しい場所にいる」。
(中略)
新進の気性に富む、積極性、自己表現欲求、広い問題意識、高速道路の外の世界への関心、情報収集力、行動力、積極性、勇気、スピード感、常識、明るさ、素直さ、人に好かれる性格、コミュニティ・リーダーシップ、段取り力、コミュニケーション能力、気遣い、やさしさ、柔軟性、反射神経的に判断して物事を決める力。
「けものみち」の要素をこう列挙していけば、とてもこれらを兼ね備えるのは至難の業のようにも見えるが、人間としてごく常識的で、少し積極的に日常を丁寧に生きることに他ならない(あんがい、男性よりも女性のほうがごく自然に「けものみち」を歩いていけるのかもしれない)。そういう日常を大切に繰り返していけば、「正しいときに正しい場所にいる」幸運にめぐり合うチャンスも大きくなるし、「けものみち」に恐ろしい「けもの」は出てこないものだ。仮にちょっとした「けもの」が現れたって、仲間の誰かがすぐに助けに来てくれるだろう。
(中略)
新進の気性に富む、積極性、自己表現欲求、広い問題意識、高速道路の外の世界への関心、情報収集力、行動力、積極性、勇気、スピード感、常識、明るさ、素直さ、人に好かれる性格、コミュニティ・リーダーシップ、段取り力、コミュニケーション能力、気遣い、やさしさ、柔軟性、反射神経的に判断して物事を決める力。
「けものみち」の要素をこう列挙していけば、とてもこれらを兼ね備えるのは至難の業のようにも見えるが、人間としてごく常識的で、少し積極的に日常を丁寧に生きることに他ならない(あんがい、男性よりも女性のほうがごく自然に「けものみち」を歩いていけるのかもしれない)。そういう日常を大切に繰り返していけば、「正しいときに正しい場所にいる」幸運にめぐり合うチャンスも大きくなるし、「けものみち」に恐ろしい「けもの」は出てこないものだ。仮にちょっとした「けもの」が現れたって、仲間の誰かがすぐに助けに来てくれるだろう。
日本の若い人たちのブログを読んで思うのは、「人を褒める」のが下手だなということである。つまらないことで人の揚げ足を取ったり粗探しばかりしている人を見ると、よくそんな暇があるなと思う。もっと褒めろよ、心の中でいいなと思ったら口に出せよ、と思うことも多い。「人を褒める能力」とは「ある対象の良いところを探す能力」である。(中略)「ある対象の悪いところを探す能力」を持った大人が日本社会では幅を利かせすぎていて、知らず知らずのうちにその影響を受けた若い人たちの思考回路がネガティブになっているのだろうか。
問題は、そういう思考を続けていると、自然に批判対象を自分に向け「自分の悪いところ」ばかりを探す能力が長けていき、ひいては自己評価が低くなり、何事につけ新しいことに踏み出す第一歩の勇気が出てこなくなることである。(中略)そんな悪循環を断ち切ってほしい。
「人を褒める」ために、歯の浮くような紋切り型のお世辞を言う必要はない。「なぜかわからないけれど、あなたの(この本の、この情報の)ここの部分は、自分ととても波長が合ったと思う」ということを表明するだけでいいのである。前向きに真摯に相手と向き合っていることさえ伝われば、それが褒めたことになる。(中略)そのプロセスをブログで記録することは、自然に「褒める思考法」を身につけることになる。自分の志向性を探索することは、膨大な雑音を払いのけて、自分と波長の合う信号をさがすことだ。けなす対象は自分にとっての雑音にすぎない。それに関わり批判したり粗探ししている時間はもったいない。
その他、問題は、そういう思考を続けていると、自然に批判対象を自分に向け「自分の悪いところ」ばかりを探す能力が長けていき、ひいては自己評価が低くなり、何事につけ新しいことに踏み出す第一歩の勇気が出てこなくなることである。(中略)そんな悪循環を断ち切ってほしい。
「人を褒める」ために、歯の浮くような紋切り型のお世辞を言う必要はない。「なぜかわからないけれど、あなたの(この本の、この情報の)ここの部分は、自分ととても波長が合ったと思う」ということを表明するだけでいいのである。前向きに真摯に相手と向き合っていることさえ伝われば、それが褒めたことになる。(中略)そのプロセスをブログで記録することは、自然に「褒める思考法」を身につけることになる。自分の志向性を探索することは、膨大な雑音を払いのけて、自分と波長の合う信号をさがすことだ。けなす対象は自分にとっての雑音にすぎない。それに関わり批判したり粗探ししている時間はもったいない。
・生きるために水を飲むような読書
・これからの知的生活には資産より時間
・ネットは知恵を預けると利子をつけて返す銀行
・群衆の叡智を味方につける勉強法
など気に入った表現はあげればきりがありません。
要は、賛否あるネットの未来は、使う側の意識如何により、無限の可能性を提示するものになり得るということではないでしょうか。この本は、読めば読むほど前向きな考えになり、ワクワクする感動が得られると思います。
あとがき
(前略)
ウェブは、「志」を持って能動的に対峙した時に、まったく異なる相貌を私達に見せるものである。「志」さえ持てば、ウェブは「人生のインフラ」として「個」を大いに助けてくれる。私はそのことを、できるだけ多くの人たちに伝えたいと思い、適切な言葉を探し続けた。
(中略)
本書は、まじめで一生懸命な若者たちの、そして昔そういう若者だった大人たちの心の中に、未知の世界を楽しむエネルギーが生まれてほしいと思いながら書いた。
未知を楽しむエネルギーが心に宿り、「志」を立て、「はじめの一歩」を踏み出す力が出さえすれば、私たちの前にはさまざまな可能性が次々と訪れる。一生懸命何かをやりたいと思う人たちを、これまでの日本社会は、レールの上を走らせよう走らせようとしてきたが、そうではない道もあるのだ。(中略)自由を享受するためには、自発的で能動的な「新しい強さ」を身にまとわなければならない。その強さが身につけば、世の中に対する見方は大きく変わってくる。
「時代の大きな変わり目」を生き抜く「新しい強さ」について考え続けた本書が、ひとりでも多くの読者の心にさざ波を立てることになれば、私にとっては望外の喜びである。
(前略)
ウェブは、「志」を持って能動的に対峙した時に、まったく異なる相貌を私達に見せるものである。「志」さえ持てば、ウェブは「人生のインフラ」として「個」を大いに助けてくれる。私はそのことを、できるだけ多くの人たちに伝えたいと思い、適切な言葉を探し続けた。
(中略)
本書は、まじめで一生懸命な若者たちの、そして昔そういう若者だった大人たちの心の中に、未知の世界を楽しむエネルギーが生まれてほしいと思いながら書いた。
未知を楽しむエネルギーが心に宿り、「志」を立て、「はじめの一歩」を踏み出す力が出さえすれば、私たちの前にはさまざまな可能性が次々と訪れる。一生懸命何かをやりたいと思う人たちを、これまでの日本社会は、レールの上を走らせよう走らせようとしてきたが、そうではない道もあるのだ。(中略)自由を享受するためには、自発的で能動的な「新しい強さ」を身にまとわなければならない。その強さが身につけば、世の中に対する見方は大きく変わってくる。
「時代の大きな変わり目」を生き抜く「新しい強さ」について考え続けた本書が、ひとりでも多くの読者の心にさざ波を立てることになれば、私にとっては望外の喜びである。
Links:
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茂木健一郎 クオリア日記
小粋空間
読書メモ帳
++ 2007.03.27 Tue ++
ウェブ進化論(梅田望夫・著)/グーグル(佐々木俊尚・著)
1年ほど前、知人に借りて読んで、今手元にないのですが……内容的に重なるところがあり、どちらの本にどの内容が書いてあったか、記憶が曖昧なので、2冊分まとめて感想を述べさせていただきます。
どちらも入門書として分かりやすく書かれてあり、読んでよかった、と思いました。「“Web2.0”ってよく聞くけれど、それ何?」という人にはオススメですね。
今までの常識が覆される時代になりつつあることを、従来のネット社会を古典物理学、これからのウェブ世界を量子力学に譬えられていましたが、確かにそうだなぁと納得です。現今の、技術分野の進化のスピードは驚くべき速さで進んでいますが、「日進月歩」ならぬ「秒進分歩」ですよね。
しかし、素人の私にも分かるように書かれてあるので分かり易かったです。例えば、ネットの「あちら側」と「こちら側」という表現をつかっているのもその一つ。
先日、「ああ、PCがクラッシュしてしまったああああぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜っっっっ!」と叫び、それまでの通信データを失って悶絶していた人がいましたが、私はすでに「あちら側」の世界にデータを移行していたので、さほど心配はありません。HDDは専らバックアップ用として使用しています。最近では、無料オンラインストレージを調べてみると、その数の多さに驚かされます。これからはもっと増えるのでしょう。
また、仕事で販売促進系の業務に少し携わっていますが、「ロングテール」についての記述も有難かったです。これこそ「古典物理学の知識では量子力学は扱えない」ごとく、既存の概念をひっくり返したパラダイムシフトとも言えるのではないでしょうか。
他にも、今ではなじみ深くなりつつある「アドワーズ」や「アドセンス」の仕組みも分かりやすく書かれています。
全人類の叡智を共有し、整理しようとするグーグルとは如何なるものか、当時漠然と「検索してくれるところでしょ?」としか思っていなかったので興味深く読むことができました。個人情報云々がやかましく言われている昨今、グーグルにどれだけ信頼をおけるか疑問を持つ人もあるかと思いますが、こちらの情報をグーグルに提供すれば、しただけのものはサービスで返って来ることは体験的に頷けます。もしかしてすでにグーグル依存症かも……。グーグルが世界を制するのなら、グーグルをうまく使いこなしてしまうのが良いかと思います。
「危険」と背中合わせの「便利さ」をどう追求するか、その指針として、一読の価値はあると思います(すでによく知っている人には当たり前のことばかりかと思いますので、あくまでも入門編としてですが)。最終的には自己責任ですからね。
(参考)
【Web 2.0とは】
ワルオさんのブログ
ゴルゴンさんのブログ
複雑系ネットワークの青い海で右脳的なカラオケ世界
hidewさんのブログ
lush life*
きまぐれトムさんのブログ
どちらも入門書として分かりやすく書かれてあり、読んでよかった、と思いました。「“Web2.0”ってよく聞くけれど、それ何?」という人にはオススメですね。
今までの常識が覆される時代になりつつあることを、従来のネット社会を古典物理学、これからのウェブ世界を量子力学に譬えられていましたが、確かにそうだなぁと納得です。現今の、技術分野の進化のスピードは驚くべき速さで進んでいますが、「日進月歩」ならぬ「秒進分歩」ですよね。
しかし、素人の私にも分かるように書かれてあるので分かり易かったです。例えば、ネットの「あちら側」と「こちら側」という表現をつかっているのもその一つ。
先日、「ああ、PCがクラッシュしてしまったああああぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜っっっっ!」と叫び、それまでの通信データを失って悶絶していた人がいましたが、私はすでに「あちら側」の世界にデータを移行していたので、さほど心配はありません。HDDは専らバックアップ用として使用しています。最近では、無料オンラインストレージを調べてみると、その数の多さに驚かされます。これからはもっと増えるのでしょう。
また、仕事で販売促進系の業務に少し携わっていますが、「ロングテール」についての記述も有難かったです。これこそ「古典物理学の知識では量子力学は扱えない」ごとく、既存の概念をひっくり返したパラダイムシフトとも言えるのではないでしょうか。
他にも、今ではなじみ深くなりつつある「アドワーズ」や「アドセンス」の仕組みも分かりやすく書かれています。
全人類の叡智を共有し、整理しようとするグーグルとは如何なるものか、当時漠然と「検索してくれるところでしょ?」としか思っていなかったので興味深く読むことができました。個人情報云々がやかましく言われている昨今、グーグルにどれだけ信頼をおけるか疑問を持つ人もあるかと思いますが、こちらの情報をグーグルに提供すれば、しただけのものはサービスで返って来ることは体験的に頷けます。もしかしてすでにグーグル依存症かも……。グーグルが世界を制するのなら、グーグルをうまく使いこなしてしまうのが良いかと思います。
「危険」と背中合わせの「便利さ」をどう追求するか、その指針として、一読の価値はあると思います(すでによく知っている人には当たり前のことばかりかと思いますので、あくまでも入門編としてですが)。最終的には自己責任ですからね。
(参考)
【Web 2.0とは】
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